国は政策として認知症サポーターの100万人キャラバンを結成、平成30年度末までにキャラバン隊の人数を1200万人育成する計画である。近藤氏は平成23年6月より2年間、認知症サポーター100万人キャラバン作業部会の委員を務め、以降キャラバンメイト指南役として全国行脚をつづけられ、キャラバン育成の指導にあたっている。
介護保険の理念は「自立支援」と「尊厳の維持」であり、「できる」を支援し、ありがとうの出会いをつくることである。「死ぬまでやれることはあるのだ」と介護者は見守りの立場をとり、できるだけ本人にできることをさせるようにすれば、生ききって、寝たきりの時間を少なくすることができる。地域コミニュニティの在り方としては助けを求める人があれば、助ける手を出すことのできるものでなければならない。
「認知症」とは脳の病気であり、「出来事」は忘れるが、「感情」は残るので、周りがそのことを理解し、注意したり、怒ったりの不快感を与えないように配慮する必要がある。認知症は「不安」からくるので、失敗は不安に通じることを認識し、視線をあわせて、ゆっくりと短い言葉で、わかりやすく話しかけて上げる。
関わりの基本は三つの「さ」「さわやかに」「さらっと」「さりげなく」を心掛け、ストレスをかけないようにする。コミニュニティを深めるためには、五つの「あ」「あせらず」「あわてず」「あきらめず」「あかるく」「あたたかく」接することが必要である。
認知症の予防としては、キーワードは「楽しく」であり、社会活動や趣味に積極的に取り組む (脳の活性化)・有酸素運動をする(散歩で十分)・食生活に気をつける(野菜・魚を食べる)を心掛ける。
終わりに、「介護はプロに、家族は愛情を」を実践し、「笑顔」と「ありがとう」を忘れないこと。「優しく見守り、微笑んで声かけ」を実践しよう、高齢者ケアの三原則は「残存機能の維持と活用」・「自己決定の尊重」・「継続性の尊重」である。
西条西倫理法人会 MS副委員長 富樫 智純 「浄明寺住職」 (著)