本日は阪神・淡路大震災が起きてから23年になる。まず、被災者に黙とうを捧げる。
このことにちなんで、当時淡路島でカメラ屋を開業していた古市忠雄さんを紹介する。古市さんは家族が無事だったことを感謝し、人命救助に当たった。家、家財道具、店すべてを失ったが、別の所へ置いていた愛車だけが助かった。車のトランクから愛用のゴルフバッグを見つけ、店を失った今、神様が「お前はゴルフで生きて行け」と言った気がしたという。すでに、56歳であったが3年掛けて自己鍛錬をし、59歳でプロゴルファーになる資格試験を受け。見事合格した。震災で自分も家族も無事だったという感謝の一念で努力を続けて、遂に65歳で全日本グランド選手権で優勝を果たした。念願のタイガーウッヅと試合をしたが、決して引けを取らなかった。
感謝は最強の気力であり、これは天に助けられた古市さんの体験である。常に恩を忘れてはいけない。自分は神奈川県の藤沢で生まれ、育ったが、先祖は愛媛の松山である。祖先は道後の町長伊佐庭氏と共に道後温泉を作ろうとした7人の発起人の一人であり、その名前「泉丈太郎」は道後に立つ記念碑に刻まれている。今も道後の義安寺に眠っているが、命を懸けて、今日の道後温泉の基礎を築いた
祖先を誇りに思い、自分の子どもたちには先祖の名前にちなんで命名した。自分、自分を優先し自分さえ良ければという小我を捨て、世のため、人のために尽くした自分の先祖のように大我に生きることができるよう努力して行きたいと願っている。
西条西倫理法人会 MS副委員長 富樫 智純 「浄明寺住職」 (著)