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モーニングセミナーレポート

           
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第254回 モーニングセミナー

日にち:平成28年06月08日(水)6:30〜
講 師:(株)マルセイ 代表取締役 木元 正均 氏(姫路倫理法人会会員)
テーマ: エベレストに懸けた夢〜お母さん生んでくれてありがとう!〜

 

 52歳で登山を始めて、56歳でエベレストに登頂した。
2年半かけて日本の百名山を征服した。仕事があるので、ほとんど土・日と祝日を使った。30時間眠らないで行軍する練習をした。そのために、車で夜通し走り、続けて登山をした。普段は、近くのお旅山で訓練を続けた。30キロの砂袋を担いで足には3キロのおもりをつけて、お旅山を駆け足で上り、また駆け足で下り、肺筋力と心筋力をつけた。

 エベレストに登ることを家族に話すと、猛反対であった。妻と娘は一晩中寝ないで話し合い、どうせ止めてもお父さんは行くだろうから笑顔で送って心配させないように気をつかってくれた。中国にいる弟は猛反対であったが、それでも出発点のチベットまで見送りにきてくれた。

 世界からエベレスト登頂を夢見てやってきた仲間は、ABCキャンプと呼ばれる高度6500メートルの地点で1か月半訓練を受けて、身体が山に慣れるのを待つ。風がものすごく強く、雪が吹き飛ばされている所や夜昼の温度差がひどくて、喉をやられ、おまけに寒さのため下痢までする。8300メートルのところでは、足を一歩あげるだけでも大変である。8500メートルのあたりでは、ヘリも飛べないので遭難者の遺体がいくつも横たわっているが、触らないように拝んで通る。生きて帰ることができるか否かはすべて運次第である。

 私は運が良かったのと、30時間寝ないで行軍する訓練をしていたこと、また、日ごろお旅山で背筋力と心筋力をつける訓練をしていたおかげで無事生きて帰ってくることができた。

 さぞかし、親から強健な身体をもらったのだろうと思われる方がいるだろう。私は生まれたとき、とても育たないだろうとボロ毛布にくるまれて部屋の隅に放置されていたのであるが、そんな私に母は根気よく少しずつミルクを与えてくれ何とか生かせてくれたのだ。

 のちに、文化大革命が起き、父は毛沢東と共産党に反対したという罪をきせられ耐え切れず、自殺した。母も出自が良いということで差別をうけ、私はいくら勉強しても、大学受験をさせてもらえなかった。食うや食わずの生活の中でも、母は
自分の食べ物までも子供たちに与えてくれた。

 のちにチャンスを得て、大学にはいることができた。大連の大学で教師をしていたときに知り合った同じ教師の妻と結婚した。妻が先に日本の大学にくる資格を取得したので、一家で日本に来た。これまでの恩返しと母を呼び寄せた。が、母は誕生祝いをした後で脳出血で倒れ一年後に帰らぬ人となったしまった。

 妻が先に倫理に入会しており、自分も倫理の勉強をはじめた。苦難福門とか凡事徹底とか学ぶうちにいろいろな気づきがあり、自分の先祖を忘れないために、恩を受けた母にお礼をいいたいと思うようになり、天国に一番近いところはエベレスト山頂であるからそこへ行くことにしたわけである。

 新聞やTVで命をないがしろにする事件を見聞きするたびに、こころが痛む、ひとつでも悲しい事件が起きないようにと願って、こんな講演をさせていただいている。



西条西倫理法人会 MS副委員長 富樫 智純 (著)

   
   
   
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